領土問題について感じること
この議論の前提は現実的な可能な対処法で、国益を最大限にすることを前提としています。
・日本の国会議員の尖閣諸島上陸について
立場・・・反対
理由・・・
日本政府は「尖閣諸島に領土問題は存在しない」という立場をとっており、現在実効支配をしています。
しかし、日本の国会議員や東京都知事が上陸なり、購入を検討する、つまり「尖閣諸島が日本の領土であることを主張する」 ことは「尖閣諸島に領土問題が存在する」ことを意味します。彼らにそのような認識がなくとも国際社会はそう認識します。
したがって、中国がICJに提訴した場合、日本は裁判をすることに合意しなければなりません。(現実はしていません。もちろん領土問題は存在しないので、裁判をする必要性すらないのですから。)裁判に合意しないということは、自分たちが裁判に出れば負けると言っているようなものです。
では、尖閣諸島が日本の固有の領土であることは明白なのだから裁判に出ても勝てるのではないか?
という反論は当然あると思います。
そもそも日本人の多くが、日本人が主張している意見ばかりを集約しているのではないでしょうか?(日本人なので当たり前といえば当たり前ですが)
中国側の論理は以下の本に詳しく書かれています。
日本の国境問題 尖閣・竹島・北方領土 (ちくま新書 905)
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日本側の論理は新聞でもネットでもどこでも出てきます。
しかし中国側の論理にも目を通すと、日本が裁判で勝利するのは確実ではないと思います。
では、仮に勝利したしましょう。中国ではどのような反応が起こるでしょうか?
2005年のデモ以上の大規模な反日デモが起こるのではないでしょうか?
こういうと、そのような教育をしてきた中国が悪いという人がいるかもしれませんが、
他国の侵略から独立する以上、愛国心がほかの国より強くなるのは仕方ありません。
また共産党の一党独裁を確立するためにも、愛国教育は避けられません。
中国で行われているのは、「反日」教育ではなく、「愛国」教育です。
それが中国が日本に侵略されたので「反日」になったという方が冷静な解釈だと思います。
ここでそもそも共産党一党独裁がいけないのだという人がいるかもしれませんが、2008年のリーマンショックの世界同時不況からいち早く復活できたのは、50兆円もの大型刺激景気対策を各国がもたつく間に「一党独裁」である中国共産党が実行できたからです。(別に独裁がいいと主張しているわけではありません。)
私たちは中国が一党独裁であることに少なからず、恩恵を受けています。
話がそれましたが、日中には歴史がある以上、尖閣諸島が日本の領土になることが本当に日本の国益にかなうのかには疑問です。
つまり、日本が尖閣諸島を実効支配していることを考慮すれば、日本の国益を最大限にするには、ひたすら静観・棚上げしておけばいいと思います。
しかし、以下のような反対意見があると思います。
一、中国が軍事侵攻してきたらどうするのか?
「タカ派」の人は、軍備をもつことで侵略を防ぐと主張するかもしれません。
一方で、
「ハト派」の人は、さらに密接な関係を結ぶことで戦争を回避すると主張するかもしれません。
どちらの意見をとったとしても、今の都知事や議員の行動は理解できません。事を荒立てるだけです。(ただし尖閣諸島に軍をおかなくても中国への抑止力になるかどうかは議論の余地がありますが)
二、「棚上げ」して先送りしてばかりでは解決しない。話し合って、解決への道を開くべきだ。
その通りだと思います。本来ならばこのような解決が当然望ましいですが、現代が近代であり、国益を最大限にする外交という前提に立てば、現実的には難しのではないかと思います。解決できないから、1972年時点の日中国交正常化では棚上げ合意がされました。(管直人元首相は棚上げ合意は存在していないと主張していますが)
よって、日中間の歴史、現実を見据えた上で、国益を最大限にすることを前提とすると、「棚上げ」がベリーベターな選択であると思います。
この自分の考えをまとめるために書きました。
そもそもこのようなことを考えるきっかけとなったのは都知事や議員の発言や行動、連日のマスコミの報道の矛盾があまりにもひどく思えたからです。(○道○テーション、Mr.○ン○ーの司会者、そもそも番組を構成している人)
本来ならば日本の国益を守るべき人たちが、選挙対策のためにナショナリズムを煽っているのか、中国から資金援助を受けているのかは知れませんが
(おそらくただの勉強不足だと思います。)(本当に日本の事を思っているなら、中国現地で生活している人の事も考えてほしいです。もちろん明後日の自分がこの中に入るので余計に心配なのは言うまでもありませんが。)
日本の国益を損なうような行為をしています。
別に自分の意見が唯一絶対の正しい意見であるとは思いませんが、戦争をおこさないためにも、感情ではなく、建設的な議論があることを望みます。
近代になって戦争が以前より大規模なものになり、頻発するようになったと言われます。
しかし、人間が国家を作ったのは、戦争をなくすためだとも言えると思います。
ここ50年では人類史上もっとも平和な時代といわれるぐらいです。
何はともあれ、この一年で自分の考えがどのように変わるのか楽しみです。
(過去ブログから引用)