編集者は面接でどのように編集者を見極めるのか
編集者が編集者を面接するときには何を判断材料にして採用を決めるのでしょうか。編集者を志望する学生はぜひとも知っておきたいです。
コルクを抜くでの佐渡島庸平さんへのインタビューにそのことについて言及してあったので、紹介します。
見分ける2つの基準
僕が必要だと思って見極めようとしているのは2つです。1つ目は「他人のために働くことが喜びになる人間か」。2つ目は「作家・作品によって救われたことがある人間かどうか」なんです。本には実用的な本と、人の心を動かす本の2種類があります。実用的な本が好きな人間と、人の心を動かす本が好きな人間ではタイプが違う。僕は作家を相手に仕事をするので、人の一生を左右する本を作りたい。その人が、これによって人生を揺さぶられてしまった、この本がなかったらいまの自分はいない、という1冊を持っているか。
作家は、自分が本に救ってもらったと思っているから、自分もそんな本を作りたいと思って、作家になる。僕らにとっても、自分にとって本は自分の命よりも大切で、この本がなければ自分の命がなかったかもしれない、という共有できる経験があることがすごく重要なんです。
経験はいらない
先ほどのポイントをクリアしている人間なら、実は「経験」はいらない。その人は作家のことを想像できる人間だから、作家に会わせて、すべてその人のプランでやってもらう。
編集者はサービス業
編集者というと、情報感度が高いといった、いかにも「編集者」みたいなスキルが求められるかと思っていましたが、全然違いますね。他の箇所で言及されているように、思いやりがもっとも重要であるサービス業に近いです。
サービス業だと思います。飲食業は向いていそうですね。食事中のお客さんの水がない時にすぐ注げるか。水をほかの物に入れ替えれば、これまでの話と通じますよね。作家が資料がない時に、資料がなくなる前に気づいて出せるかとか。気がつく力は一緒です。もちろん、知識があるに超したことはないが、やる気のある人間ならいくらでも後から追いつける。むしろ気にすべきはハートの部分ですね。
——なるほど。だとすると、編集者になるために敢えてカフェでバイトをする、というのもありですね。
そこで人間観察できるなら、何一つダメな経験はないです。ダラッと暮らしたり、経験しないことが一番良くない。引きこもる経験だって良い。引きこもるのは、心の中に葛藤があるからで、出て行きたくても出て行けないのは良い。むしろ、心の中に葛藤がない人間や、なんとなく生きてる人間は、編集者には向いていないと思います。
まとめ 編集者を見極めるときのポイント
・編集者=サービス業
・本によって救われた人間か
・他人のために働けるか
編集者=大量の情報をインプットして、面白い企画を立て、いろいろな人に巻き込むみたいなイメージをしていたのですが、このインタビューでだいぶイメージが変わりました。
次は編集者の自伝などを読んでもっとリアル感を学びたいですね!
編集ハ(ファ)ック~編集を「編集」する~