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頑張ります。

Xiaomiが目指す世界とは

 

Xiaomiの急成長

 

最近Xiaomiが世間を騒がしている。その勢いはとどまることを知らない。

 

2010年に創業して以来、様々な話題を振りまいてきたXiaomiですが、ベンチャーキャピタルから11億ドルの資金を調達したことで、企業価値が450億ドルとなり、スタートアップ企業の中で世界一となったことが明らかになりました。

(黒字筆者)

 

Xiaomi、ついに企業価値でスタートアップ界No.1に躍り出る - iPhone Mania

 

2014年第3四半期のシェアの割合を具体的に見ていくと、サムスンが24.4%、アップルが12.7%、そしてファーウェイは5.3%、シャオミは5.2%、そしてレノボが5%となっている。昨年同期のGartner社の報告書ではシャオミのシェアはわずか1.5%だったので、同社はこの1年で336%の成長を遂げたことになる

(黒字筆者)

 

成長率300%のXiaomi、世界のスマホ市場、サムスン、アップル、ファーウェイに続く « WIRED.jp

 

しかし一方では、利益はわずか5,600万ドルで、営業利益率が1.8%しかないことからシェアを取るための薄利多売戦略、ただのAppleの模倣にしか過ぎないことが指摘されている。またネットでしか販路を持たないマーケティング戦略がコスト削減とブランド構築に成功したとよく報道されているが、僕はXiaomiが実現しようとしている世界はそんなもので済むようなものではないと思う。

 

そう思う根拠は2つある。

 

1、Xiaomiはメーカーではなくサービス

 

Xiaomi(小米)はモバイルインターネット企業で、自社を純粋なスマートフォンメーカーだと決して位置づけていない。Xiaomiにとって、スマートフォンは巨大なインターネットエコシステムの1つのデバイスにすぎない。

 

Xiaomi(小米) vs Huawei:中国スマートフォンブランドの対決 - THE BRIDGE(ザ・ブリッジ)

 

2、MIUIをすべての中心にする。

 

ユーザが新しいデバイスに移行しても、ソフトウェアプラットフォーム(またはカスタマイズしたAndroidシステムのMIUI)に確実に引きとめ、有料コンテンツ、サービス、広告、その他のオンラインで収益を生み出せるアプローチを介して、ソフトウェアプラットフォームから利益を上げる。

 

Xiaomi(小米)の「ハードウェア100社戦略」とは - THE BRIDGE(ザ・ブリッジ)

 

全てのハードウェア製品向けに、アンドロイドカスタムシステムであるMIUIという統合ソフトウェアプラットフォームを構築することを明言している。

 

Androidが搭載されアプリストアへもアクセスできるWiFiルーターのHiWiFiがローンチされて間もなく、多くの中国人は次のように考えたようだ。―HiWiFiが家庭における全てのスマート機器のハブとなり、ユーザのニーズをさらに満たすために新しいアプリケーションが開発され、ユーザの機器に接続されるインターネットサービス体験にインパクトを与えることになるだろうと。

 

Xiaomi(小米)の構想するWiFiルーター中心のスマートホーム設計 - THE BRIDGE(ザ・ブリッジ)

 

Xiaomiが目指す世界

 

Xiaomiはただ廉価なスマフォを作りたいわけではない。あらゆるハードウェアを作りたいという訳でもない。彼らが実現したいのは、MIUIを中心として、ありとあらゆるハードウェアとソフトウェアを結ぶプラットフォームを作ることで、顧客に新しいライフスタイルを提案しようとしているのではないか?

 

ただのメーカーであるなら、450億ドルの企業価値はつかないのではないだろうか?Xiaomiが作ろうとする世界に期待をするからこのような企業価値がついているのではないだろうか?

 

いやこれはXiaomiが目指すだけではなく、すべての企業が考えなければいけないことではないだろうか?私たちの製品は顧客のライフスタイルにどう影響するのか?どんなライフスタイルを提案したいのか?

 

巨額の資金調達を基に、自動自動車・電気自動車まで投資をしてしまうのではないかとも思えてくる。何はともあれ、あらゆるマシーンのソーシャル化の上でそのプラットフォームとなり、僕らに今まで見えてなかった世界を見せてくれるかもしれないXiaomiにこれからも注目していきたい。

 

 

※Xiaomiの構想を理解するのに役立つ書籍をあげておく。「IoT(モノのインターネット)」はやはり重要な概念であろう。そしてGoogleが目指す世界もXiaomiの構想と重なるところがあり、理解しておくと良いかもしれない。