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2014年の中国のクラウド・ファンディングの市場

~編集部注~

 

金融庁による投資型クラウドファンディングの利用促進施策として、新興企業がネットを通じてクラウドファンディングを普及させるため、未公開株を仲介する業者の参入の規制を緩和する改正金融商品取引法が可決されるなど、日本にもいよいよクラウド・ファンディングの時代がやってきている。しかし市場規模は、世界における5,000億円に対し100億円未満と、未だ発展途上のビジネスと言える。

 

参考:国内クラウドファンディング業界は「群雄割拠」市場規模が拡大 | FUTURUS(フトゥールス)

 

では、お隣の中国のクラウド・ファンディング事情はどうだろか?本日は2014年の中国クラウド・ファンディング市場を紹介したい。

 

 

市場規模

 

オンラインの理財商品の検索サービスであるRong360によると、2014年末時点で、116のクラウド・ファンディングのプラットフォームが中国にはあり、1年前の78より38増加している。これらのうち27のサイトが投資型クラウド・ファンディング・サイトである。

 

Rong360によると、2014年には9.1億元(180億円)の取引がクラウド・ファンディングにおいてされた。

 

中国クラウド・ファンディングの歴史と種類

 

中国での最初のクラウド・ファンディング・サイトは Demohourと言われており、2011年7月にローンチされ、瞬く間に中国のハードメーカーにとって目指すべき場所となった。2014年8月には消費者の電気製品のための取引と発売予定商品の2つのプラットフォームへのピボット選択となることを発表し、中国版キックスターターやindiegogoのようなクラウド・ファンディング・サイトが成功できないことを決定づけた。

 

Zhongchou.cnはプロジェクトと支援者数の観点から、市場における主要プレーヤーの1人であり、元Tencetの重役によて2013年2月にローンチした。Zhongchou.cnはテック製品から芸術やチャリティーのプログラムまで幅広くカバーしている。1165のプロジェクトと75000の支援者が2014年の間に生まれた。

 

英語バージョンは出していないものの、Zhongchou.cnはサンフランシスコにオフィスを2014年初めに構えた。またZhongchou.cnにプロジェクトとして上がったいくつかの企業に出資をしている。

 

AngelCrunchは2011年11月にローンチした、中国における最初のオンラインの投資型クラウド・ファンディング・プラットフォームである。他のよく知られたサイトには、Dajiatou,Yuanshihui, Renrentou, ihetou, Yunchou, Daibang, ichuangye,  TSJ123などがある。

 

中国でも進む市場整備

 

中国安全規定委員会が2014年12月にクラウド・ファンディングにおける最初の規制を打ち出した。非上場の持ち株社は200以上の株主を超えてはならないという既存のルールはクラウド・ファンディングにまだ適応される。ほとんどのクラウド・ファンディング・サイトがスタートアップでの株式買収の数を最大限に設定しようとしている。しかしスタートアップにおいて200以上の滞在的な投資家がいるとなると、クラウド・ファンディング・サイトから当金をそれぞれ買うために、投資信託や第三者基金を創るなどの回避策が取られるようになる。

 

中国安全規定委員会は投資家に実名での登録と、投資家の銀行口座を確かめるようクラウド・ファンディング・サイトに要請している。

 

クラウド・ファンディングの細分化と大手ネット企業の参入

 

Tuandaiが2014年6月に不動産のクラウド・ファンディング・プロジェクトを公開してから、いくつかの同じようなプロジェクトがローンチされた。ほとんどのプロジェクトが中国の主要インターネット企業と不動産企業の協同で生まれたものである。例えばSohu 、Vanke,、JDやSinooceanlandなどである。

 

中国のいくつかの主要インターネット企業はクラウド・ファンディングの流れに乗っかっている。2013年11月にはAlibabaがTaobao Crowdfundingをローンチし、Yulebaoという映画のための投資信託を、2014年3月にTaobaoのクラウド・ファンディングのもと、ローンチした。30万人以上が合計7300万元(16億円)にローンチから1週間で投資した。続けて、中国の検索サービス大手のBaiduも、Baifayouxiという映画のためのクラウド・ファンディングを始めた。商業銀行のSPDは同じ投資信託を2014年の終わりにローンチした。

 

中国のネット・ショッピングのリーディング・カンパニーであるJD.comはスマート・ハードウェアのインキュベーション・プロジェクトを補完するため、2014年7月クラウド・ファンディング・サイトをリリースした。12月にスマフォメーカーの Dakeleの最新のモデルが1600万元(3.2億円)をたったの25分で10000人から集めた。

 

JDとAlibabaは支援者において、No.1とNo.2にそれぞれなるため、全ての独立したクラウド・ファンディング・サイトを上回ってきた。JDは62万人の支援者から1.48億元(29.6億円)を238のプロジェクトでローンチから6か月で調達した。Taobaoのクラウド・ファンディングは45万人の支援者から8100万元(16億円)を2014年に410のプロジェクトで調達した。

 

~編集者後記~

 

金額でみると、まだまだ中国も日本と同じく発展途中の市場であることがうかがえる。しかし世界銀行のレポートによると、25年のクラウドファンディングの市場規模960億ドルのうち、約半分となる460~500億ドルは中国が占める内訳になっている。

 

同じ市場段階にある中国のクラウド・ファンディング市場は1つの参考としてぜひ注視していきたい。

 

参考:入門クラウドファンディング:世界でも日本でも拡大するクラウドファンディング市場 (1/4) - Business Media 誠

 

【via Technode】  @technodechina

 

【原文】