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頑張ります。

IT関係者なら読んでおきたい!中国のインターネットの歴史を紐解いた名著

中国やアジアを専門に活動するITライターの山谷さんから新刊が出ました。

 

 

山谷さんは「ITMedia」「ASCII」「東洋経済オンライン」など多くの媒体にて連載を持っています。2002年より中国の昆明を拠点に活動しており、本書は14年にわたる中国IT観察の中間決算書。

 

なぜ決算書かと言いますと、中国が2014年末にGoogleを完全に遮断し、ワールドワイドウェブから独立を果たしたからです。

 

次の決算書は「中国がGoogleを買収し、ワールドワイドウェブを支配した。」でしょうか?

 

内容ですが、タイトルの通り、中国のインターネットの歴史を編年体で綴ったものです。

 

2014年はAlibabaが史上最大規模の上場をしたこともあり、中国のWebサービスやIT業界に大きな注目が集まりました。

 

一方で、「その過程がよく分からない」「中国のITについてまとまった記述がない」という疑問を持った方も多いはず。

 

この本では、そんな疑問に答えてくれます。中国の今のWebサービスはどのような変遷を経て生まれたのか(個人的にはここをもっと深堀してほしかったですが。)、中国政府はどのようにネット規制を展開してきたのか、を体系的に知るには最高の1冊です。

 

さらに、

 

実は10年ごろにはもう、日本のIT事情に対するニーズはなくなっていました。私から企画を持ち込んでも、色よい返事がもらえなくなっていたのです。今回の訪問(山谷さんが中国のIT企業の編集部を訪れた。)では、あらためて中国のITが、ある面では日本の遥か先に行ってしまったのを身を持って実感しました。

 

中国のインターネット史 ワールドワイドウェブからの独立 (星海社新書)のおわりにより引用。()は筆者注。

 

と書かれています。CtoC(Copy to China)という言葉がありましたが、これからはCtoJ(China to Japan)の時代が来るかもしれません。

 

そんな時代に備えるための最良の1冊でしょう。

 

直近でイベントもある模様です。山谷さんの日常の情報源はどちらでしょうか。どんなメディアをチェックしているのでしょうか。ぜひお聞きしたいです。

 


【ネット上の独立国、中国に迫る】星海社新書夜話 Vol,2@鷗来堂会議室 - イベント | ジセダイ